1. 名札に値を入れる(変数)
値を名札に入れておいて、あとで取り出して使う方法を学びましょう。
この章で学ぶこと
- 値を名札(変数)に入れて取り出す
- 入っている値を変える
- 文字の間に値をはめ込む(
枠)- 値の種類(数字、文字列、論理、空っぽ)とタイプの付け方
- 変えられない値を作る(
固定しよう)
名札とは?
プログラムには、計算の結果やユーザーの名前のように覚えておきたい値がたくさんあります。値を覚えておくには名札を付けておけばいいんです。名札を付けておいた値のことを、プログラミングでは変数と呼びます。
名札は二重かぎかっこで書きます。『名前』、『点数』のようにです。値を名札に入れるときはにしようを使います。
『名前』を「カナデ」にしよう
『名前』を出力しよう
- 1行目:
『名前』という名札に、文字「カナデ」を入れます。 - 2行目:
『名前』に入っている値を出力します。画面にはカナデが出ます。
数字も同じように入れられます。数字はかっこなしで書きます。
『年齢』を20にしよう
『年齢』を出力しよう
入っている値を変える
同じ名札にもう一度にしようを書くと、新しい値に変わります。 前の値は消えます。
『天気』を「晴れ」にしよう
『天気』を出力しよう
『天気』を「雨」にしよう
『天気』を出力しよう
晴れが先に、雨があとに出ます。プログラムは上から下へ流れるので、出力するその瞬間に入っている値が出てきます。
数字は足そう、引こうで増やしたり減らしたりできます。(計算は3章でもっと詳しく学びます。)
『点数』を10にしよう
『点数』に5を足そう
『点数』を出力しよう
15が出ます。
文字の間に値をはめ込む: 枠
「こんにちは、カナデさん!」のように、文字の途中に名札の値を入れたいことはよくあります。かぎかっこの前に枠を付けて、入れたい名札を波かっこ{ }で囲めばいいんです。
『名前』を「カナデ」にしよう
『年齢』を20にしよう
枠「こんにちは、{『名前』}さん!今年で{『年齢』}歳ですね。」を出力しよう
こんにちは、カナデさん!今年で20歳ですね。が出ます。{ }の中には計算式も入れられます。枠「来年は{『年齢』 + 1}歳です。」のようにです。
名札の名前の付け方
- ひらがな、カタカナ、漢字、英字、数字、アンダースコア(
_)が使えます。『点数』、『score』、『点数2』、『最高_点数』 - スペースは使えません。
『私の 点数』ではなく『私の点数』や『私の_点数』と書いてください。 - 何が入っているか分かる名前がいいです。
『あ』より『点数』のほうが、あとで読みやすくなります。
値の種類
値には種類があります。最初に知っておきたい種類は4つです。
| 種類 | 例 | 説明 |
|---|---|---|
| 数字 | 20、3.14、-5 |
計算できる数 |
| 文字列 | 「カナデ」、「こんにちは」 |
かぎかっこで囲んだ文字 |
| 論理 | 真、偽 |
正しい/正しくない(条件文で使います) |
| 空っぽ | 空っぽ |
まだ何の値もない |
空っぽは「あとで入れます」という意味で使うと便利です。
『優勝者』を空っぽにしよう
『優勝者』を出力しよう
『優勝者』を「カナデ」にしよう
『優勝者』を出力しよう
リストや辞書のように値をいくつもまとめる種類は7章で学びます。
タイプを付ける(選んでOK)
名札を作るときに、どの種類だけを入れるかを決めておけます。値の前に【種類】のを付ければいいんです。この種類をタイプといいます。
『名前』を【文字列】の「カナデ」にしよう
『年齢』を【数字】の20にしよう
枠「{『名前』}、{『年齢』}歳」を出力しよう
タイプは付けなくてもかまいません。付けると、違う種類の値がうっかり入るのを防いでくれます。 下は数字だけを入れると決めた『年齢』に文字を入れようとしたので、エラーになります。
『年齢』を【数字】の20にしよう
『年齢』を「二十歳」にしよう
「『年齢』には『数字』型の値しか入れられません。」 というエラーが出ます。大きなプログラムを作るほど、タイプを付けておくと間違いを早く見つけられます。
| タイプ | 入れられる値 |
|---|---|
【数字】 |
数字 |
【文字列】 |
文字 |
【論理】 |
真、偽 |
【何でも】 |
何でも(タイプを付けないのと同じです) |
空っぽは、どのタイプの名札にも入れられます。
変えられない値: 固定しよう
円周率のように絶対に変わってはいけない値は、にしようの代わりにに固定しようで作ります。このような値を定数といいます。
『円周率』を3.14に固定しよう
枠「円周率は{『円周率』}です。」を出力しよう
固定した値を変えようとするとエラーになります。大事な値がうっかり変わるのを防いでくれるんです。
『円周率』を3.14に固定しよう
『円周率』を3にしよう
「定数 ‘円周率’ の値は変更できません。」 というエラーが出ます。
よくある間違い
1. 「」と『』を取り違える
『名前』を「カナデ」にしよう
「名前」を出力しよう
『名前』を出力しよう
「名前」は名前という文字なので名前が出て、『名前』は名札に入っている値なのでカナデが出ます。
2. 作る前に使う
名札はにしようで作ったあとでしか使えません。下は『点数』を作る前に出力しようとしたので、エラーになります。
『点数』を出力しよう
『点数』を100にしよう
「変数『点数』が見つかりません。」 が出たら、その名札を先に作ったか、名前に書き間違いがないかを確かめてください。
3. 枠を付け忘れる
『名前』を「カナデ」にしよう
「やあ、{『名前』}!」を出力しよう
枠「やあ、{『名前』}!」を出力しよう
枠がないと、波かっこがそのままやあ、{『名前』}!のように出てしまいます。値をはめ込むには、かぎかっこの前に必ず枠を付けてください。
まとめ
| やりたいこと | 書き方 |
|---|---|
| 名札に値を入れる | 『点数』を10にしよう |
| 入っている値を変える | 『点数』を20にしよう(もう一度入れる) |
| 数字を増やす・減らす | 『点数』に5を足そう、『点数』から5を引こう |
| 文字の間に値を入れる | 枠「点数は{『点数』}点」 |
| タイプを付ける | 『点数』を【数字】の10にしよう |
| まだ値がない | 空っぽ |
| 変えられないようにする | 『円周率』を3.14に固定しよう |
練習問題
1. 『果物』に好きな果物の名前を、『個数』に数字を入れて、枠を使って「りんごを3個買いました。」のように出力してみましょう。
(参考) ここに書いてみましょう。
答えの例
『果物』を「りんご」にしよう
『個数』を3にしよう
枠「{『果物』}を{『個数』}個買いました。」を出力しよう
2. 下のコードを実行する前に、最後に何が出力されるか予想してみましょう。
『お金』を1000にしよう
『お金』から300を引こう
『お金』に500を足そう
『お金』を出力しよう
答えを見る
1200が出ます。1000から300を引いて700になり、そこに500を足して1200になります。
3. 下のコードはエラーになります。なぜなのか考えて、エラーにならないように直してみましょう。
『最高点』を【数字】の100に固定しよう
『最高点』を120にしよう
『最高点』を出力しよう
答えを見る
『最高点』を固定しようで作ったので変えられません。変わる必要がある値なら、にしようで作ればいいんです。
『最高点』を【数字】の100にしよう
『最高点』を120にしよう
『最高点』を出力しよう
次の章では、ユーザーに値を入力してもらい、文字と数字をおたがいに変える方法を学びます。